トルコ人に学ぶ「インフレ・サバイバル術」の教科書
年率50%〜80%という異常なインフレが続くトルコ。 しかし、現地の人々は絶望して座り込んでいるわけではありません。彼らはしたたかに、政府を信用せず、 徹底した「個人戦」 で資産を守り続けています。
彼らの生存戦略は、これから「静かなる貧困化」を迎える私たち日本人にとって、最高の教科書になります。
1. 給料日は「脱出ゲーム」の開始合図
トルコの人々は、リラ(自国通貨)を「1秒でも長く持っていたくないもの」として扱います。 給料が入った瞬間に、生活費以外をすべて 「ドル」か「金(ゴールド)」 に替えます。 「通貨をショート(売り)して、現物をロング(買い)する」。これを国民全員が呼吸をするように行っています。
2. 世界一の「ステーブルコイン」大国
彼らが愛用しているのは、ビットコイン以上に 「USDT(テザー)」などのステーブルコイン です。 銀行の規制を受けず、スマホ一つでドルを持てるため、「デジタルのタンス預金」として機能しています。 リラが暴落しても、USDTを持っていれば資産は減りません。
3. 「借金」をして物を買う(インフレ錬金術)
これが最も強烈な防衛策です。 インフレ下では、今日買った冷蔵庫の値段は、1年後には倍になっています。つまり、 「借金(分割払い)をしてでも、今すぐ買う」 が正解になります。 1年後に返す借金の価値は、インフレのおかげで実質的に半減しているからです。
4. セーフティネットとしての「若さと家族」
日本との決定的な違い、それはトルコの人口構造の 「若さ」 です。 平均年齢が若く、労働力と消費のエネルギーが日本とは比較になりません。
また、彼らは政府を信じない代わりに、 「家族や身内のネットワーク」 を極めて重視します。 誰かが困れば親戚一同で助け合う。この強固な地縁・血縁が、政府の機能不全を補う究極のセーフティネットとして機能しています。
孤独な高齢化が進む日本にとって、これこそが最も真似したくてもできない、しかし最も恐ろしい「格差」なのかもしれません。
日本への教訓
まじめな日本人ほど「現金(円)での貯金」に固執しますが、インフレ局面ではそれが最大のリスクになります。
- 円を極力持たない(給料即両替)
- 必要なものは早く買う
- 国の手出しできない資産(USDCやゴールド)を積み上げる
トルコの人々は言います。「政府はバカだが、俺たちは生き残る」。 この「したたかさ」こそ、私たちが今一番学ぶべきスキルなのかもしれません。